“うおーー、「クズの本懐」って人間性がすごい出ている作品だなー!!”
って思っていたけど、終わってみたら成長物語だった。
だから元は“恋”という現象やら“孤独”についてとか書こうと思ってたんだけど、
それをするにはまた序盤~中盤を見直さないないといけないからそれはお預けにして、
まずはこの成長という終着点について書こうと思う!
ここよりネタバレ有
最終回を見て
hamuhamukunはこの作品の終着点はこれになると思ってた
でも違った。
麦と結ばれることはなかった。
これって切ないエンドではあるものの、
希望があるラストでもあると思った。
何故か?
それはお互いから離れることによって、
本格的に新しい“自分”に向かって歩き出せるのだ。
そう考えたら、
お互いが反対方向を歩いてゆくシーン(アニメ版)は切なくも、美しい。
特に花火の最後の表情。
“これまでありがとう。
もう大丈夫、一人でも歩いていける”
と聞こえてきそうだ。
花火が言っていた“決意”とは“決別”だったのだと思う。
麦との別れは前の自分との別れを意味しているからね。
“本物”
一つすごく気になるのは、
ラストで使われている“本物”という言葉。
この言葉はこの場面には合っていないと感じてしまう。
だって偽者から本物に変わるものだってある。
麦と花火の関係の始まりは間違ったものだった。
でもそれが間違いだと気付いた時点で本物に変わることは出来ると思う。
だから正直、何故メンゴさんがこの言葉をチョイスしたのか分からない。
だってさ、花火と麦の関係が本物にはなれないというのであれば、
茜さんが“おにいちゃん”に対して感じたものを“本物”とよべるかわかんなくなる。
麦の言葉を使うと、“流されやすいだけ”なのかもしれない。
そんなのを“本物”とよべるの?
だいたい“本物”という曖昧な言葉自体、この作品には合わないと思う。
“本物がない”という考え方が未熟だというのであれば、
何故花火と麦は本物になり得ない?
永遠の堂々巡りだ。
これだけすごくモヤッとする。
分かる人がいるなら教えてくれーー。。。
最後に、全体を通しての感想
個人的に序盤-中盤が最高だった!
人間の本性がドロドロと出ていて、非常に興味深かった。
アニメに関しては前も言ったが、作りが素晴らしいと思う!
2分割のカットも好きだし、美術っぽい絵を挟んでくるのもすごく良い!!!
あと音楽担当は"四月は君の嘘”でお馴染みの横山克さん!
盛り上げ方、うまいわ~。
ただちょっと文句を言わせて貰うと、
後半はリアルとかけ離れていった気もしたし、
話の展開が“人間関係を解決していく”というものに変わっていったのが少々残念だった。
だってさ、おにいちゃんのような純な人が“浮気好きなんでしょ、勝手にどうぞ”とか言う?
人間、片想いは嫌だ。両想いが良い。
つまり好きだと思う人からは、自分と同じかそれ以上の気持ちを感じたい。
お互い似たような気持ちでなければ、人間不安になる。
人間として当たり前の話。
それを違うというのは“人間の仕組み”を否定することであり、偽善でしかないと思う。
人間、そんなキレイな生き物じゃない。
そして人間の本性を全面に出して、見せてくれていたのが「クズの本懐」。
だからキレイに見せていくスタイルに変わった後半には“あれ?”と思った。
あと不穏に思う事が一つある。
この作品で唯一、何一つ変わっていない人物がいる。
それは“おにいちゃん”。
変わらない人間なんていない。
この作品の登場人物は彼を除いて、みんな何かに立ち向かっていった。
でもおにいちゃんにそれはない。
となると、その変化が訪れるのは結婚後だろう。
茜さんに対しての気持ちが変わる気がしてならない。
そうなったら茜さん、良い気味だという人も多いとは思うが(笑